ふるさと納税の「直営サイト」について、316自治体を実地調査した運営者が解説します。
最終更新日:2026年6月10日
まずは結論:直営サイトは「自治体が独自に運営する申込窓口」
ふるさと納税の直営サイトとは、自治体または自治体が委託した事業者が独自に運営している、ふるさと納税の申込窓口のことです。楽天ふるさと納税・ふるなび・ふるさとチョイス・さとふるといった大手ポータルとは別に、自治体が直接管理しているサイトです。
ポイントは3つです。
- 同じ自治体・同じ返礼品でも、申込先によって寄付金額が異なる場合がある
- 直営サイトの方が安いケースがあり、当サイトの比較では最大21,000円の差額を確認している
- 怪しいサイトではない。自治体が公式に運営しているサイトなので、ポータルと同じく安全に申し込める
このページでは、当サイトが316自治体の直営サイトを実地調査した結果をもとに、
- 直営サイトとはどんな仕組みなのか
- なぜポータルと寄付金額が違うのか
- 安全に申し込めるサイトかどうかの見極め方
- 直営サイトを使うべき人・使わなくてよい人
を、ふるさと納税が初めての方にもわかるように解説します。
直営サイトの種類は大きく2つ
「自治体直営サイト」と一口に言っても、実際には運営形態が2種類あります。
タイプ1:自治体直接運営型
自治体の職員(または委託された地元の事業者)が直接サイトを運営しているタイプです。寄付申込から発送、ワンストップ特例申請まで、すべて自治体が管理します。
代表例:泉佐野市の「さのちょく」、境町ふるさと納税特設サイト など
タイプ2:自治体指定事業者運営型
自治体が指定した運営事業者(多くの場合、地元のIT企業や商工会)がサイトを運営しているタイプです。サイトの見た目は自治体ごとに異なりますが、寄付金は自治体に直接入ります。
代表例:北海道の多くの自治体で利用されている「ふるさと納税特設サイト」シリーズ など
どちらのタイプでも、寄付金は最終的に自治体に入る点は変わりません。違うのはサイトのデザインや使い勝手だけです。
なぜ直営サイトが存在するのか
これを理解すると、ポータルとの寄付金額の違いも納得できます。
ふるさと納税は2008年の制度開始当初、自治体が個別に対応していました。その後、楽天やふるさとチョイスなどのポータルが登場し、利便性が大幅に上がった一方で、自治体側にはポータルに支払う手数料負担が発生するようになりました。
ポータルへの手数料は寄付総額の11.5%(2024年度、総務省発表)。上位の仲介事業者では手数料率が10%を超える水準にあります。たとえば10,000円の寄付があった場合、約1,150円が仲介サイトに支払われ、残りが返礼品の原資・事務費・自治体収入に充てられます。なお、2026年5月12日、総務省はこの手数料水準が高いとして、事業者への引き下げ要請の方針を発表しました(出典:共同通信報道)。
そこで一部の自治体は、ポータルへの手数料分を節約するために独自の申込窓口(直営サイト)を作り始めました。これがふるさと納税における直営サイトの起源です。
近年は、自治体側がポータル依存から脱却する流れもあり、直営サイトの整備が進んでいます。当サイトの調査では、全国の自治体のうち、確認できる範囲で316自治体が独自の直営サイトを運営しています(2026年5月時点)。
ポータルサイトとの違い
直営サイトとポータルの違いを、6つの観点で比較します。
1. 運営主体
- 直営サイト:自治体または自治体指定の事業者
- ポータル:楽天・ふるなび・ふるさとチョイス等の民間企業
2. 寄付金額
- 直営サイト:手数料分が反映されていないことがあり、ポータルより安い場合がある
- ポータル:自治体がポータルに支払う手数料分が上乗せされていることがある
当サイトの比較データでは、同じ返礼品で最大21,000円の差額が確認されています。
3. 掲載されている返礼品の数
- 直営サイト:その自治体の返礼品のみ(数十〜数百件)
- ポータル:全国の自治体の返礼品(数十万件以上)
4. サイトの使いやすさ
- 直営サイト:自治体ごとにデザインが異なる。シンプルなものから本格的なものまで様々
- ポータル:使い慣れたサイトでスムーズに申込可能
5. 寄付履歴の管理
- 直営サイト:自治体ごとに履歴が分散する
- ポータル:1つのアカウントで履歴を一括管理できる
6. ワンストップ特例申請
- 直営サイト:自治体ごとに対応方法が異なる。一部は紙の書類を郵送
- ポータル:アプリやオンライン申請が充実
2025年10月のポイント廃止で何が変わったか
2025年10月1日から、ふるさと納税のポータルサイトが寄付者に独自ポイントを付与することが全面的に禁止されました。
これまでは「楽天ポイント」「ふるなびコイン」などの還元があったため、寄付金額が多少高くても、ポイント分を加味すれば実質お得になるケースがありました。しかし、現在はこの還元がありません。
つまり、寄付金額そのものが安いところで申し込むのが、最もお得です。
この制度変更により、寄付金額が安いことが多い直営サイトの価値は、相対的に大きく上がりました。当サイトが直営サイト比較に注力している理由でもあります。
直営サイトを使う5つのメリット
メリット1:寄付金額がポータルより安いことがある
最大のメリットです。同じ返礼品でも、申込先を直営サイトにするだけで数千円から、場合によっては2万円以上の差額が出ます。寄付できる控除上限額には限りがあるため、差額分を別の返礼品にまわせます。
メリット2:自治体に直接支払いされる安心感
ポータル経由でも最終的には自治体に寄付金が渡りますが、直営サイトはより直接的です。「自分の寄付がしっかり自治体に届く」という実感を持ちやすいです。
メリット3:直営限定の返礼品がある
一部の自治体では、直営サイトでしか申し込めない限定返礼品を用意しています。希少な工芸品や、地元事業者の小ロット商品など、ポータルでは見つからない逸品があります。
メリット4:地元事業者の応援
ポータルに支払われる手数料分が地元に還元されるため、間接的に地元事業者を応援することになります。
メリット5:自治体との直接的な関係
問い合わせや返礼品に関する質問を、自治体の担当者と直接やり取りできることがあります。
直営サイトを使う際の注意点
正直に、デメリットも整理しておきます。
注意点1:サイトの使い勝手がポータルより劣ることがある
自治体によって、サイトのデザイン・検索機能・決済方法に差があります。ポータルの洗練されたUXに慣れている方は、戸惑うことがあります。
注意点2:複数の自治体に寄付する場合、履歴管理が分散する
複数の直営サイトを使うと、寄付履歴がそれぞれのサイトに分散してしまいます。確定申告時にまとめて管理する手間が増えます。
注意点3:ワンストップ特例申請の方法が自治体ごとに違う
ポータルなら共通の手順ですが、直営サイトでは自治体ごとに書類の様式や提出先が異なる場合があります。
注意点4:決済方法の選択肢が少ない場合がある
クレジットカード以外の決済方法(PayPay、コンビニ払いなど)が用意されていない自治体もあります。
直営サイトは安全?怪しくないの?
「自治体名の入った見たことのないサイトで個人情報を入力するのは不安」と感じる方は多いです。当サイトでも、運営開始時に最も多く寄せられた質問がこれでした。
結論からお伝えすると、自治体が公式に運営している直営サイトは、ポータルと同等に安全に利用できます。ただし、見極めのポイントがあります。
安全な直営サイトを見分ける5つのチェックポイント
- URLが自治体公式ドメイン(.lg.jp)からリンクされているか
各自治体の公式ホームページに、直営サイトへのリンクが必ず掲載されています。これが最も確実な確認方法です。 - SSL証明書(https://)が有効か
URL欄に鍵マークが表示されていれば暗号化通信されています。 - 運営事業者の情報が明記されているか
サイトの「特定商取引法に基づく表記」または「運営者情報」に、自治体名または委託事業者名が記載されているかを確認。 - 問い合わせ先が明確か
電話番号・メールアドレス・住所などが明示されているサイトは信頼性が高いです。 - 当サイトの安全性チェックを参考にする
当サイトでは316自治体の直営サイトを実地確認しています。
当サイトの調査結果(継続更新中)
当サイト「ふるさと納税 直営サイト比較」では、開設以来、全国の自治体直営サイトを実地で調査し続けています。
現在の調査状況(2026年5月時点)
- 直営サイト確認済み自治体数:316自治体
- 比較データ登場自治体数:612自治体
- 掲載商品数:約2,900件
- 比較済み商品数:459件
- 確認できた最大差額:21,000円
「直営サイト確認済み自治体数」と「比較データ登場自治体数」が異なるのは、ポータルのみ掲載で直営サイトが見つからない自治体も比較対象に含めているためです。直営サイト一覧として整理しているのは316自治体ぶんですが、価格比較データには612自治体の返礼品が登場しています。
調査方法
各自治体について、以下の項目を1件ずつ確認しています。
- 直営サイトのURLとSSL化の有無
- 掲載されている返礼品と寄付金額
- 主要4ポータル(楽天・ふるなび・チョイス・さとふる)との価格比較
- 受付期間・在庫状況・確認日
ポータルとの価格比較は機械的に行うのではなく、商品名・自治体・容量・配送条件が一致しているかを目視確認した上で「同一商品」と判定しています。
このデータが、当サイトの価格比較の根拠です。
直営サイトが向いている人・向いていない人
直営サイトを使うべき人
- 寄付金額の安さを最優先する人
ポイント還元がなくなった今、寄付金額そのものの差がダイレクトに節約効果になります。 - 年間寄付額が大きい人
控除上限が高い人ほど、1件あたりの差額が積み重なります。年間寄付10万円超の方には特におすすめです。 - 特定の自治体を応援したい人
「ここの自治体を応援したい」という思いがある方は、直営サイト経由が最も直接的です。 - 直営限定の返礼品が欲しい人
ポータルにはない逸品を探している方。
直営サイトを無理に使わなくてよい人
- 年間寄付額が少額(1〜2万円)の人
差額数千円のために、新しいサイトの登録・操作を覚えるコストの方が大きい場合があります。 - 複数自治体にまとめて寄付する習慣がある人
ポータルの一括管理機能の方がメリットが大きいことがあります。 - ワンストップ特例申請をオンラインで完結させたい人
対応している直営サイトもありますが、ポータルの方が確実です。
よくある質問
Q. 直営サイトはどこの自治体にもありますか?
いいえ、すべての自治体が直営サイトを持っているわけではありません。当サイトの調査では、確認できる範囲で316自治体が独自の直営サイトを運営しています。これは全国約1,700自治体の約2割弱にあたります。
Q. 直営サイトでもワンストップ特例申請はできますか?
はい、可能です。ただし、申請書類の様式や提出方法(紙の郵送・オンライン申請)は自治体によって異なります。寄付前に各サイトでご確認ください。
Q. 直営サイトとポータル、どちらでも申し込めるけど、どちらがおすすめ?
ポイント還元が廃止された現在、寄付金額が安い方を選ぶのが基本です。同額の場合は、使い慣れたサイト・好きな決済方法で申し込んで問題ありません。
Q. 直営サイトで申し込んだ後、内容を変更・キャンセルできますか?
原則として、ふるさと納税は申込後の変更・キャンセルができません。これは直営・ポータル共通です。だからこそ、申込前に複数の申込先を比較しておくことが大切です。
Q. 直営サイトの寄付金は確定申告に使えますか?
はい、もちろん使えます。直営サイトから発行される寄付金受領証明書をもとに、確定申告またはワンストップ特例申請を行います。
都道府県別の自治体直営サイト一覧
当サイトで確認済みの自治体直営サイトを、都道府県ごとに整理しています。お住まいの地域や応援したい自治体から、直営サイトと掲載返礼品の比較を確認できます。
- 北海道・東北:北海道 / 青森県 / 岩手県 / 宮城県 / 秋田県 / 山形県 / 福島県
- 関東:茨城県 / 栃木県 / 群馬県 / 埼玉県 / 千葉県 / 東京都 / 神奈川県
- 中部:新潟県 / 富山県 / 石川県 / 福井県 / 山梨県 / 長野県 / 岐阜県 / 静岡県 / 愛知県
- 関西:三重県 / 滋賀県 / 京都府 / 大阪府 / 兵庫県 / 奈良県 / 和歌山県
- 中国・四国:鳥取県 / 島根県 / 岡山県 / 広島県 / 山口県 / 徳島県 / 香川県 / 愛媛県 / 高知県
- 九州・沖縄:福岡県 / 佐賀県 / 長崎県 / 熊本県 / 大分県 / 宮崎県 / 鹿児島県 / 沖縄県
全316自治体の直営サイト一覧を見る | 直営サイトあり自治体ランキング
まずは差額が大きい返礼品から確認する
「直営サイトが本当にお得なのか」を確かめるには、実際の差額データを見るのが早道です。
掲載情報は調査時点のものです。寄付前には必ず各公式ページで、最新の寄付金額・内容量・受付状況をご確認ください。